dictator

キヤノンがSEDをあきらめないらしい。
一番初めに発売か、と言われたのは2003年くらいじゃなかったっけか。
それが東芝との連携がうまく行かず延期され、大々的に、2005年にSEDを出します!と言って株式会社SEDだかをつくって後戻りできない状態に。
神奈川だかと、兵庫に工場も建てた。
それでもさらに発売は遅れて2007年とか。おそらくもっと遅れるのでは?
ちなみにSEDはSurface-conduction Electron-emitter Displayの略。
FED、すなわちField Emission Displayの一種で、電圧を印加したときにFowler-Noldheimの式に従って、量子力学的トンネル効果で微小真空ギャップ中に放出される電子を利用して、ブラウン管のように電子で蛍光体を発光させる方式の次世代テレビ。
この辺の原理がよく分からなければ、シュレーディンガーの方程式を解けば分かります。
今あるテレビの中で、一番画質がいいのは、液晶でも、プラズマでもなく、ブラウン管なのだが、次世代ディスプレイとして使うには、高精細にしにくいし、何より厚い、重い。
そこで原理的に画質の悪い液晶やプラズマなんて目ではない、ブラウン管と同じ表示方式のFEDSEDに期待が集まったわけですが、式を解けば分かるが、ものすごい放出電流の非線形性が高い。
こんなんを画面全体で輝度やらなんやらをそろえられるのか?と。
まぁある程度電子が出れば、回路で補正できる、と画質の回路設計をやっている専門家の人にたまたま聞くことが出来たのですが、それでも難しいでしょう。
さらにSEDの電子利用効率1%とかはひどい。構造を雑誌で見たが、ありゃほとんどリーク電流じゃねぇの?と。寿命大丈夫か?歩留まりはどんなもんなのさ?と。
さらに専門家に聞くと、薄いガラスの中を真空にしたとき、大気圧でガラスが割れるので、中にガラスのスリットを立てて、割れないように押さえているらしいのですが、SEDの画面をよく見るとその黒い線がめちゃくちゃ目立つらしい。駄目じゃん。
まぁその辺を解決できれば高画質が期待できるけど、さて、今売っている最新の液晶やプラズマテレビを、あー画質悪い、と思う人はどのくらいいるでしょうか?少なくてもこういう人以外には買うメリットがないのですが、最近の液晶、プラズマの技術はなかなかのものですからね。
数年後に売り出されて、しかも高い値段で売り出されて、果たして勝負できるのでしょうか?
アナリストはやめるべきだと言っているそうですが、独裁者と内部でも批判の多い御手洗社長には何を言っても無駄。
数年後、楽しみですが、高かったら買わないなぁ・・・。
そのころには値段がもっと落ちているであろう、プラズマか、サムソンの薄型ブラウン管がいいかも。
日本では薄型ブラウン管売ってないかな???